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元プロボクサー 袴田事件

袴田事件「はかまだじけん」は1966年、静岡県清水市「現在は静岡市清水区」で発生した強盗殺人放火事件。味噌製造会社の専務の一家4人が殺され、当時従業 員であった元プロボクサーの袴田巌(現死刑囚)が強盗殺人、放火容疑で逮捕される。警察の取調べでいったんは罪を認め自白したが、公判開始以来一貫して無実を主張している。
1981年に再審請求をしたが1審の静岡地裁は請求を棄却し、弁護側は即時抗告を申し立てたが、2004年8月27日、東京高等裁判所東京高裁も即時抗告を棄却した。
事件内容
火災が起きたのは、1966年6月30日の午前二時少し前。場所は静岡県清水市横砂。惨劇は、味噌製造会社専務の居宅兼事務所で起きた。殺されたのは、専務(41)の他、妻(38)、次女(17)、長男(14)の四人。長女は、別棟に寝ていたので助かった。メッタ刺しにされた死体の刺し傷はあまりに多く、正確な数はわからない。四人の傷の総計は、少なくとも四五ヵ所。
警察は、焼け跡から発見されたクリ小刀一本を凶器としたが、先端がわずかに折れていただけだった。刃こぼれもしていない。また、警察の調査によると、約八万円のカネが奪われたというが、橋本家にあった多額の金品は、手つかずに残されていた。
経過
1966年6月30日
味噌製造会社専務の自宅が放火され、焼跡から一家4人の他殺体が発見される。
1966年7月4日
静岡県警が味噌製造工場および工場内従業員寮を捜索し、当時味噌製造会社の従業員で元プロボクサーの袴田の部屋から極微量の血痕が付着したパジャマを押収。1966年8月1966年8月18日
静岡県警が袴田を強盗殺人、放火、窃盗容疑で逮捕。
1966年9月6日
犯行を頑強に否認していた袴田が勾留期限3日前に一転自白。
1966年9月9日
静岡地検が起訴。
1966年11月15日
静岡地裁の第1回公判で袴田が起訴事実を全面否認。以後一貫して無実を主張。
1967年8月31日
味噌製造工場の味噌タンク内から血染めの「5点の衣類」が発見される。
1968年9月11日
静岡地裁、死刑判決。
1976年5月18日
東京高裁、控訴棄却。
1980年11月19日
最高裁、上告棄却。
1980年11月28日
判決訂正申立。
1980年12月12日
最高裁、判決訂正申立棄却決定送達。死刑確定。
1981年4月20日
弁護側、再審請求。
1994年8月9日
静岡地裁、再審請求棄却(決定書日付8/8)。
1994年8月12日
弁護側、即時抗告。
2004年8月27日
東京高裁、即時抗告棄却(決定書日付8/26)。
2004年9月1日
弁護側、最高裁に特別抗告。現在第2小法廷に係属中。
裁判の主な争点
任意性に関する争点
自白調書全45通のうち、裁判所は44通を強制的・威圧的な影響下での取調べによるもの等の理由で任意性を認めず証拠から排除したが、そのうちの2通の調書と同日に取られ、唯一証拠採用された検察官調書には任意性があるのかなど。
信用性に関する争点
自白によれば犯行着衣はパジャマであったが、1年後に現場付近で発見され、裁判所が犯行着衣と認定した「5点の衣類」については自白では全く触れられていない点など。
凶器とされているくり小刀で犯行は可能か。
逃走ルートとされた裏木戸からの逃走は可能か。
 犯行着衣とされた「5点の衣類」は警察の捏造か(「サイズから見て被告人の着用は不可能」など、弁護側は多数の疑問点を指摘している)。
支援状況
1979年にルポライターの高杉晋吾が事件の冤罪性を指摘した記事を『現代の眼』に掲載し、死刑確定後に支援組織「無実のプロボクサー袴田巌を救う会」を設立する。
1981年から日本弁護士連合会が人権擁護委員会内に「袴田事件委員会」を設置し弁護団を組織する。
1991年3月11日、日本プロボクシング協会会長の原田政彦(ファイティング原田)が、後楽園ホールのリング上から再審開始を訴え、正式に袴田の支援を表明する。
2006年5月、東日本ボクシング協会が会長輪島功一を委員長、理事新田渉世を実行委員長とする「袴田巌再審支援委員会」を設立する。同委員会はボクシングの試合会場(後楽園ホールなど)で袴田の親族、弁護団所属の弁護士や救援会関係者らとともにリング上から早期再審開始を訴えているほか、東京拘置所への面会要請やボクシング雑誌の差入れなどを行っている。
2006年11月20日輪島を始め5名の元ボクシング世界チャンピオンらが、早期再審開始を訴える約500筆の要請書を最高裁に提出する。
2007年2月、一審静岡地裁で死刑判決に関わった元裁判官熊本典道(判決言渡しの7ヶ月後に辞職)が「彼は無罪だと確信したが裁判長ともう一人の陪席判事が有罪と判断、合議の結果1対2で死刑判決が決まった。しかも判決文執筆の当番は慣例により自分だった」と告白。袴田の姉に謝罪し再審請求支援を表明する。
2007年6月25日熊本元裁判官は、袴田の再審を求める上申書を最高裁判所に提出。
関連HP
袴田巌さんの再審を開き、無罪を勝ち取る全国ネットワーク
無実の死刑囚・元プロボクサー袴田巌さんを救う会
袴田巌さんを救援する清水・静岡市民の会
袴田巌さんの再審を求める会
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