マイノリティーの拳 林 壮一

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発売日: 2006/09/14
発売元: 新潮社
黒人ボクサーの実態ドンキングが出てきてから、世界のボクシングが何となく、つまらなくなったと感じていてが この本を読んで、やはりそうかと思った。
黒人ボクサー達の実態を読み、複雑な気持ちになった。ハグラーのインタビューは面白かった。レナードのインタビューも欲しかったが、さすがに手が届かなかったか。ハーンズは家族想いの人という印象を持った。
フォアマンやハグラーはプロモーターに流されず、いい人生を送ってると思う。
ウィザスプーンとホームズの試合はテレビで見ていたが、この本ではウィザスプーンが勝っていたのにと言ってるが、どっちとも取れる試合だった。終盤、勝ちを過信して逃げ回っていたのが悪い印象を与えたと思う。
「アメリカンドリーム」 5名のチャンピオンボクサーの姿が、リングを通して浮かび上がる。
拳ひとつで彼等が王者になるまで、そしてそれからの人生とは。人に裏切られてなお生活の為リングにあがる男たちの姿。
「自信がなければリングでは勝てない。自信がない、という時点で、そのファイターは敗者さ。人生も同じだろうね」というハグラーの言葉が最後に突き刺さる。
マイノリティーという問題は、日本ではあまり関心を持たれない。しかし、日本でも弱い立場の迷える人間はたくさんいる。
読んでみると、最初からボクサーを目指している人がいない事がわかる。紆余曲折を経てボクシングに出会っているのである。
4人の子供を一人で育てる為に戦うウィザスプーンが人間らしくていい。アメリカンドリームの現実を、考えさせられる1冊です。
黒人が故の貧困と離れられない元王者たち私自身ボクシングについても登場人物の殆ども知らないのだが、それでも充分に楽しめた。
元世界王者と聞くと、引退後もスポンサーがついていて、ジムオーナーになったり他のビジネスで成功しているアメリカンドリームの代表格と思い込んでいた。
ところが、彼らは競走馬よろしくプロモーターに食い物にされ、使い捨てられていく。
そして40歳を遥かに超えて尚リングに立ち続け、生活の糧を掴む。
このような悲しい出来事が、米で広く知られているのかは不明だが、そうであってもその世界に挑戦せねばドラッグの売人をするしかない貧民街の人々や、米の ことわざ通り"軋む音を立てる者には油が注される"を信じ努力をし続けるハグラーのような人に読者は悲しみに満ちた思いをめぐらすだろう。
引退後のこのような決して恵まれていない姿を取材対象としたのも、取材を可能にしたのも、著者もまた不運な怪我で試合はしなかったもののプロライセンスを 持つ元ボクサーであるからであろう。 にもかかわらず過剰に専門的な文章に陥らず、一般読者にも分かりやすい読み物であった。

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